TBSラジオ『Life』「大人になるということ(Part3)」

9分30秒〜、柳瀬博一氏の発言以降の大意:

 昔は、大人になるということは「頑固でもう変化しない」、逆に言うと「もう変化しなくても大丈夫」ということだったが、今は大人になれと言われつつ、「変化し続ける」ことも同時に要求される。 非常にキツイ。

「どのように現実を構成するべきなのか」は、昔は伝来の定型があって迷う必要もなかったのだろうか。 今は膨大な可能性の中からひとつの態度を選ばなければならず*1、かつひとつを選んでも安住できない。


ひきこもっている人の多くが「理屈っぽい」のは、現実を構成できない苦痛への必死の対処に見える。 ▼自分の状況は、けっきょくは偶然的なものでしかない。 でもそんな偶然は耐えられないので、必死に必然性を導入しようとする。 必然性を導入せずとも生きられるのが動物。


過剰に流動的な状況の中、現実を構成する力が弱体化していて、だから「納得」を構成することもできない。 構成できないままアワアワと流されている
現実構成と「納得」の関係は、宗教や芸術の問題でもあると思う。 残された時間は無駄な苦痛かもしれない。