インタビュー:「『機動戦士ガンダム』の生みの親、富野由悠季監督に聞く」

ビッグイシュー第63号(現在発売中の最新号)より。

 そうした大人との対立の中で、考え出したのがニュータイプという概念です。 自分がニュータイプであることを信じろ、信じて生きるんだ、と。 それは、発狂寸前の主人公を生き延びさせるためについたギリギリの嘘でした。

ガンダムの作品中で「ニュータイプ」というのは、「超自然的な才能がある人」ということ。 子供としてそういうキャラクターに感情移入するとすれば、「自分には、あり得ないような特殊な才能があるんだ」というナルシシズムによって自己救済することになる。
ところが、

 僕は個性を全否定するんです。 いきがって好きだけで作品を作るなと。 世の中には一つの個性だけでつくって許される才能というものがあるんだ。 それは天才だけなんだって。

矛盾して見える。


個人的に連想したのは、
「個性を否定した上で、根拠なき自身を持て」というメッセージだった。