《学問 Wissenschaft》(ヨーロッパ的) と、 《科学 science》(アメリカ的)

  • ウェーバー:「日常を幸せに生きることで幸せになれない人が知識人」
  • 宮台真司:それを《超越系》と呼び、「日常を幸せに生きることで幸せになれる人」を《内在系》と呼ぶ。
    • ウェーバーによれば、超越系はたいてい宗教に行く。→ 宗教に行かない場合に学問の世界にやってくる。
      • ヨーロッパの知的世界の構成は、《学問的 Wissenschaftlich》
      • アメリカは《科学的 scientific》
  • カール・マンハイム: 「浮動するインリゲンチャこそがあるべき知識人」
    • 何かに帰属すると利害当事者 stakeholder になってしまうから、浮動すべき。 「浮動することは、全体性(トタリテート)に近づくために不可欠の立場取りである」
    • 《全体性》:フランクフルト学派の「批判理論」が繰り返し参照する概念。 ▼学問 Wissenschaft は、全体性を参照しようとするオリエンテーションに裏打ちされた知的営み。
  • いっぽうアメリカの「科学的 scientific」姿勢は、totality を脇に置いて、「expert」を追求する。 「エクスパートさ」の depth を深めていく知的営み。
    • ヨーロッパ的伝統とアメリカ的伝統はちがっている。
  • ルーマンは《学問的 Wissenschaftlich》のほう。 これは「批判理論」「行政学」から出自している。 批判理論は、全体性を参照して政治的なプロセスを批判しようとする。 行政学は、全体性を参照して行政的なプロセスを正当化しようとする。 ▼いずれも、「全体性」という概念が非常に重要になる。