2007-07-14から1日間の記事一覧
実定法に従うだけの形式的な遵法精神が、パブリックな公正さの観点からも、私的な欲望の観点からも維持できないとすれば、検討される必要があるのは、「脱法的な公正さ」だろう。(そんなものがあり得るのか、あり得るとしたらどのようなものか。) なんらか…
「自分は○○の当事者だから、特権的に扱われる権利があるんだ」というたぐいの当事者ナルシシズムは、単なる交渉主体としての屹立以上の権限が自分にあると思い込んでいる。しかし当事者性とは、努力のフレームを策定する反撃にすぎない*1。 自己分析もなしに…
それぞれの批判的思想の要点は、どのようなスタイルで脱法的(脱制度的)取り組みを奨励しているかで整理できる。 計算の不可能性に向かう、脱構築という正義(デリダ) 欲望の道に譲歩しないことを勧めるラカン派精神分析 英雄的な欲望の範例としてラカンが…
要旨 当事者性の強調は、単なる制度順応とは別の仕方で――脱法的に――「自分の問題に取り組む」ということ。しかしそれは、交渉関係の前提を整備することにすぎない。何かの事案についての当事者性は、万能の主張権限や特権ではない。▼その取り組みは、倫理的…