以下、ご指摘についてメモ。

  • 「『当事者の語りのあり方』は、同じ個人の中でも揺れ動くことがままある」
    • おおまかに個人を分類することはできると思いますが、自分のことを考えても、おっしゃる通りだと思います。 むしろ貴戸さんの指摘は、各個人が「自分は今どのように考えてしまっているか」を整理するのに役立つのでは。
  • 「本来さらに考察を加えなくてはいけないのは、『調査の対象になってくれない人たち』のことなのではないか」
    • これこそまさに「ひきこもり」の問題だと思います。 樋口明彦氏なども指摘していることですが、就学年齢の間は、「学校に行っているか否か」ということで調査やケアの対象に引っかかるのですが、高齢化と共に、「どこにいるのか」さえ分からなくなる(統計調査は事実上不可能でしょう)。
  • 「『病者としての自己受容』を言う必要があったのか」
    • 真意はご本人に聞くしかありませんが、読者としての私は、「一生抱え続けねばならない“何か”が自分を制度から追い出してしまう」、その“何か”を生きざるを得ない存在として、みずからを「病者」と呼んだのではないか――と理解し、それは個人的には非常に納得のいくものでした。 私自身、自分を社会から追い出す“何か”については、途方に暮れているところがあります。