被害者ご本人が登壇。
当時、店でいっしょに働いていた女性と飲みに出かけたが、彼女は犯人の男と交際していたらしい。
翌日、「昨日、彼女とどこに行ったか教えろ。 さもないと殺すぞ」とわけのわからないことを言われ、断ると、いきなりガソリンをかけられ、火を付けられた。 必死の思いで消すと、火傷している体をつかまれ、「俺は刑務所に入りたくないから、タバコの火が引火したと言ってくれ」と言われる。
全身90%の熱傷で、医師からは「1週間もてば・・・」と言われたが、奇跡的に一命をとりとめる。 だが目を開けることも食事をすることも話すこともできなかった。 自分の知らないうちに父と兄が植皮手術に協力してくれていた。 くやしくてたまらなかった。 今も後遺障害に苦しんでいる。
Oさんのお話の中心は、被害後の経済的困窮であった。 治療費についても生活費についても、加害者も行政も全く世話してくれない。 四百数十万円*1の治療費を払えずにいると、病院は「この病院に来てくれなければ良かったのに」などと言い、自宅にまで押し掛けてきて「全額払ってもらえるまで帰らない」。 被害者へのいたわりではなく、治療費請求ばかり。
生活保護の申請をしても、「クーラーは高級品だからダメ」という。 しかし火傷で汗が一滴も出なくなっている体では、熱が内にこもり、クーラーがないと眠れない。 それを言っても取り合ってもらえない。
役人からは「夜の仕事をしていたあなたにも責任ありますよ」と言われる。
犯人はすでに出所している。 しかしどこにいるかについては「プライバシー保護のため教えられない」。 被害者は放置され、加害者ばかりがひたすら優遇される構造。
会場の皆さんに呼びかけ。
心のどこかで、“もし、自分が被害に遭ったら”と考えて下さい。・・・・被害者だから、と泣き寝入りはできません。 ・・・私は、負けません。
聞いていてつらくてたまらない。
割れんばかりの拍手。
*1:2004年11月11日放送の『報道ステーション』に、「¥4,654,900」の請求書が映っていた。