(5)Kさん 事件は1999年3月17日

 「判決が1週間前にあったばかりで、語り出すと収拾がつかなくなるので、書いてきたものを読みます」とお母様。

 複数の少年たちによるリンチ殺人。 息子は18歳で死亡。
 犯行の様子を詳細に記述する裁判のプロセスに我慢できず、法廷の外に出てしまったが、裁判官は「ちゃんと座っていなさい」と注意。
 犯人たちは遺族にではなく裁判官に向かって謝る。 自分たちの刑を軽くするために謝っているのであって、本当に申し訳ないと思っているわけではない。
 犯人たちは息子について、「殺されても仕方のない奴」というような言い方をする、それに遺族サイドが反論するチャンスがないのが我慢できないほど悔しい。
 主犯は実刑4年、もう一人は執行猶予つきの懲役3年。 なんで人一人殺しておいてこんなに軽いのか。 悔しさに泣くことしかできない。
 刑事裁判と少年審判の現実を突きつけられた。 私たち被害者には戦う場所はおろか、発言をすることさえままならない。
 裁判では、「加害少年たちの未来」が語られた。 だが、殺された息子にも未来はあった。 被害者の未来のことも、加害者と同じく、いやそれ以上にちゃんと語って欲しい・・・・。