内藤朝雄氏が槍玉に挙げた「育て上げネット」理事長・工藤啓氏による、『「ニート」って言うな!』評:
どうしても現場にいないひとたちなので、批判っぽくなるし
ニートだろうが、何だろうが実際に目の前にいるひとをどうするのか
っていう具体策はない。
確かにこの本には、「現場支援者」の視点が完全に欠落している。
全国各地に作られたとありますが、私の地域にもあるのでしょうか。
私の地域にも作って下さいっていう電話がかなりあって、仕事に
ならんのよね・・・
- 私は、大阪のニート支援施設で3ヶ月ほど相談スタッフをしたが、「就労相談にさえ乗ればいい」と考えていた設置側の思惑を裏切り、精神的に追い詰められた若者が多く来所し、「ひきこもり支援系要員」が常に足らない状態だった*1。
- 支援現場においては、工藤啓・井村良英*2・金城隆一の各氏のような、優秀な「ひきこもり系」対人支援者は、常に求められている。 こうした対人支援者へのニーズそのものは、否定できない。 ▼ある概念の運用益(功罪)を考えるときには、名指された当事者のニーズや、支援現場周辺の事情をも考慮する必要がある。 玄田有史氏の言説は、もともとあった苦しい「現場」と、「政治」とをつなぐように機能した。
- マクロな制度設計と、ミクロな(目の前の)対人支援は、同時に、しかし別枠で考える必要がある。▼長期的なシステム設計論は、目の前の対人支援に間に合わない。