「最低限の、必要なこと」

何かの琴線にふれたみたいで、twitter でもたくさん言及されています。
田村氏が撮影したラボルドは、ニコラ・フィリベール監督の
『La Moindre des Choses』(邦題『すべての些細な事柄』)という映画になっています。



みんなが仮装大会(?)をしているとき、すぐそばで参加せず、知らん顔の人がおられることに注意。
この病院では、「ひとつのイベントが全体を支配する」ような、単一的な支配の状況が嫌われるそうです。参加したくなければ、自分で別の時間を過ごせばいい。
「時間軸が、たくさん生きられる」ことが、臨床上の重要な指針になっています。




すべての些細な事柄 [DVD]

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      • ただしこの邦題は、ジャン・ウリ院長には不評だそうです。直訳的に「最低限のこと」とかのほうが、私たちの生を問い直す意味になったと思います。





田村氏のインタビューでもリンクが張られていますが、この病院の取り組みについて、詳細な実態を知りたい方は、ぜひ以下の二冊を参照してください。(上のほうの表紙は、今回インタビューの田村氏の撮影で*1、私も一部参加しています。)


医療環境を変える―「制度を使った精神療法」の実践と思想

医療環境を変える―「制度を使った精神療法」の実践と思想

精神の管理社会をどう超えるか?―制度論的精神療法の現場から

精神の管理社会をどう超えるか?―制度論的精神療法の現場から




YouTube にある、関連動画:

http://bit.ly/SF3mXZ (英語字幕、いきなり大声なので注意) 
http://bit.ly/PLjyR5 (フランス語のままですが、詳細です。Télévision Française 1, 1977年2月放映)
http://bit.ly/SF87B0 (日本の舞踏家・田中泯氏が、ラボルドを訪れたときの映像)



*1:書籍内部でも、田村氏の展覧会の様子などが写真入で紹介されています(参照)。