物語 『La petite Borde』

エマニュエル・グァタリ氏*1が、ラボルドで過ごした子供時代を、ファンタジーっぽい体裁で出版されています。


自著プレゼン(フランス語)


通訳したいのですが、私にはまだ一部しか聞き取れません、あしからず。



試みに、第二節 「サル LE SINGE」 を、訳してみました。

 私たちは、サルを飼ってた。お父さんが、アフリカから連れて帰ってきたのだ。
 ある日、お父さんがジャケットを開くと、それはすごく小さくて、お父さんにしがみついてた。
 すごく大きくなった。 名前を、ブブっていう。 明るいベージュ色で、メス。


 彼女はうちのお父さんが大好きで、私たち三人を嫌った。
 彼女は、私たちのお父さんを、自分の母親だと思っていた。
 お父さんのそばにいる、犬みたい。彼女は、お父さんに毛づくろいした。


 お父さんが向こうを向くとすぐに、ブブは私たちに歯を剥いた。
 それを言っても、お父さんはぜったい信じなかった。
 「ブブは可愛いなぁ」って。


 彼女は、本当にデカくなった。
 お父さんは、玄関に鎖つきの止まり木を入れた。
 お父さんが最初に帰宅して、私たちはそのあと。
 なので私たちは、靴を置きっぱなしにできなくなった。
 ブブは私たちの上に居座って、私たちの頭を掻きむしった。


 私たちは、順番に役割を決めるようになった。
 「今日は、ブブに襲われるのはお前ね」
 他のみんなは、靴を散乱させたまま走った。


 ある日お父さんは、「ブブが鎖と一緒に逃げた」という。
 お父さんは、ブブをすごく探し、いたるところで名前を呼んだ。
 「ブーブー! ブーブー!」


 数ヶ月たった。
 お父さんは、悪いニュースを告げた。
 真っ白の骸骨を、鎖といっしょに、木のてっぺんで見つけたのだ。
 その場所は、見つけられていない。見てはいるんだろうけど。




*1:フェリックス・グァタリの実娘