制度的状況それ自体の治療・支援
国府台(こうのだい)病院のHPに、「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」がUPされています。 これは今後、行政系支援の基本指針となるはずです。
http://www.ncgmkohnodai.go.jp/pdf/jidouseishin/
ここには、硬直した主観性を内在的に主題化したり、労働や政治との関係を考察したりといった内容は記されていません。
このガイドラインに伴う状況そのものを、《活用できる資源》として検証し*1、取り組みを続けていくよりほかないと思います。
制度的事業がこういう事情にあるなら、それ自体を治療し、支援していくべきです。――この表現を皮肉ではなく理解するところに、私の努力趣旨があります。
「支援」は、一方的に支持することではないし、治療されるべきは、個人の主観性を含んだ制度的な流れそのものであるはず。
社会を《治療/支援》するという文脈に、ひきこもる本人にも合流してもらう。
資格を取るかどうかとは別の意味で、いわばソーシャル・ワーク*2の担い手を増やすような事業でなければ、社会そのもののパターンを硬直させたまま、
- ひきこもる人を
- 異常視して「復帰しろ」と命令するか、
- 特権視していつまでもお客さん待遇にするか、
そのいずれかになる。
これでは、合流作法そのものが主題になっていません。
【メモ】: 製作者一覧
厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業
「思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究(H19-こころ-一般-010)」(PDF)
- 【研究代表者】
- 齊藤 万比古 (国立国際医療研究センター国府台病院)
- 【分担研究者】
- 中島 豊爾 (岡山県精神科医療センター)
- 伊藤 順一郎 (国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
- 皆川 邦直 (法政大学現代福祉学部)
- 弘中 正美 (明治大学文学部・明治大学心理臨床センター)
- 近藤 直司 (山梨県精神保健福祉センター)
- 水田 一郎 (神戸女学院大学人間科学部)
- 奥村 雄介 (府中刑務所)
- 清田 晃生 (大分大学医学部 脳・神経機能統御講座)
- 渡部 京太 (国立国際医療研究センター国府台病院)
- 原田 豊 (鳥取県精神保健福祉センター)
- 斎藤 環 (爽風会佐々木病院)
- 堀口 逸子 (順天堂大学医学部公衆衛生学教室)
- 【研究協力者】
- 宇佐美 政英 (国立国際医療研究センター国府台病院)
- 瀬戸屋雄太郎 (国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
- 田上 美千佳 (東京都精神医学総合研究所)
- 新村 順子 (東京都精神医学総合研究所)
- 榊原 聡 (名古屋市総合リハビリテーションセンター)