私には、既存の学問に殉じることが、必要な問題意識の息の根を止めることに見えています。 そこで、一般理論をかこつ社会学とは別の手続きを持つらしいエスノメソドロジーに興味を持ったのですが、それが正しい興味だったかどうか。
現状のひきこもり政策や専門書には、《つながりの作法》という、最も重要な問題設定が記されていません。 だとしたら、何らかの形で手続きを見つけ(あるいは創り)出して、自分の怒りに公的な回路を与える必要がある。――考えてみれば私は、それこそが必要な支援活動なのだと、ずっと考えていたのだと思います。
*1:合田正人氏による、「制度とゲシュタルト 〜トスケイェス、ウリ、ガタリ」(『医療環境を変える―「制度を使った精神療法」の実践と思想』pp.287-307)、 「メルロ=ポンティの迷宮」(『メルロ=ポンティ---哲学のはじまり/はじまりの哲学 (KAWADE道の手帖)』pp.68-89)等を参照