「今週の注目新刊:『医療環境を変える』」(月曜社の『ウラゲツ☆ブログ』)

先日質問などを記した本(参照)の、詳細な紹介記事です。
私は、ラカン理論に依拠する斎藤環さんに*1、制度分析的な問題意識を提示して怒りを買ってしまったのですが(参照*2、本書での立木康介氏の論考によると、ラカン派の「応用精神分析」の現在が、「制度を使った精神療法」に近づきつつあるとのこと。 ▼「精神分析」と「制度分析」、さらに精神分析での「純粋」と「応用」という対比が、この本に取り組むときの一つの焦点であり得ると思います。 大きくは、「個人へのアプローチ」と、集団を場所として(自分自身を含みながら)対象化するアプローチが対比されています。





*1:参照】:「留学も教育分析(パス passe)の経験もない私がラカニアンを気取るわけにはいかないが」(斎藤環)。 「パス passe」というのは、まさにラカン派内部における《手続き》の問題。

*2:「制度分析 analyse institutionelle」という外来語の事情を知るとともに、私は日本語の文脈では、《当事者》 《順応》 《実存と制度》といったモチーフで考えています。