「世界の1%、富の40%保有 日本は格差小さい」

 国連大学世界開発経済研究所(本部・ヘルシンキ)は5日、世界の成人人口のうち最も豊かな上位1%が個人総資産の40%を保有する一方、下位50%が保有する資産は全体の1%にとどまるとの報告書を発表した。
 「上位1%」に属する人々の約9割は北米、日本、欧州の主要先進10カ国に居住しており、世界の富の偏在ぶりと「格差」の大きさをあらためて浮き彫りにした。
 報告書によると、2000年の世界の個人総資産は125兆ドル(約1京4368兆円)で、世界の国内総生産(GDP)合計の約3倍相当。 うち上位10%の富裕層は個人資産の85%を保有していた。
 上位1%に属する人の居住国は米国(37%)と日本(27%)が特に多く、英国(6%)、フランス(5%)、イタリア、ドイツ(各4%)、カナダ、オランダ(各2%)などと続いた。
 格差を示す指標「ジニ係数」で個人資産の偏在ぶりを数値化すると、米国は約0・8、英国やフランスは約0・7だったのに対し、日本は約0・5と格差が小さかった。(共同)