承認されぬ生活者

次の指摘*1には、いろんな意味で頭を抱える(もちろん悪い意味ばかりではない)。

 まあ、子ども育ててみるとわかるんだが、毎日、目の前のことをとにかく片づけるのが大事で、大局からの視点とか、思いやりの心は、無理だよ。 オムツのうんちの山をトイレに掻き落としながら、日朝交渉の情勢を考察する母親って、無理だよ。 ものすごい現実が山となっているのに、そこまで発想は飛ばないわな。 (中略)
 しかし「引きこもりは病気」ってのは、世間の主婦は納得しないじゃろな。 育児や家事に疲れて寝ていると、「ぬくぬくと昼寝しやがって、主婦は楽だな」扱いだもんな。 「病名が付いたらいいのか? 世間に認知されたらいいのか? どっちにしてもゴロゴロしているだけだろ」って親族の怒りや無理解をどう解くか。 ひきこもり問題は難しいなぁ。 地方発の相談は特に、どうにもならんなという感じが伝わってくる。
 なんか、まとまらないけど、世間から、ぬくぬくしやがって、と見られている点では、主婦もひきこもりもいっしょ。



ある独身の女性タレントが、「早く結婚して引退したい。 専業主婦って、三食昼寝つきですもんね…」と語って共演者を慌てさせていたが、そういうことか…。
貨幣獲得労働をしている者から見れば、顧客にも雇用主にも拘束されない専業主婦は、「養ってもらって、拘束もない」という羨ましい身分に見えるわけか。


家事労働の激務を毎日毎日こなしている専業主婦が「ぬくぬくしやがって」などと見られるなら、その家事労働さえしない「ひきこもり」がどう見られるか。
そして、家事労働の激務をこなしてさえ≪承認≫されない主婦が、「ひきこもり」をどのような目で見るか。


ものすごくいろんな問題がなだれ込んでくる。
ちょっとパニックになるほどに。







*1:こちらも、id:kaerudayo さんのご指摘から。 (赤字・太字強調は上山)