Kさんからのお返事 (2004.11.13)



上山さま


レポートのこと、あすの会という団体のこと、被害者支援のこと
メール有難う。
レポートは、加害者側や、現行の被害者支援でいいと考えている法曹界や刑事司法の関係者にとっては不快かもしれません。
被害者は泣き寝入りしていればいいのだ、と考えている方々ですから。
でもそんなひとが上山さんの頁にたどりつける可能性は低いでしょうて(失礼?)
全部のせよう全部!(^^)


多くの一般人にとって、「被害にあえばこうなる」と部分でも具体的にわかることが大きいと思います。
遺族の手記とか書籍は出版物多数あるけれども、内容が重すぎてよほど関心がある人しか手にとれない。
プログは通信料のみで、ほぼ無料。


4年前の当時と今とで、犯給法*1の額とか飲酒運転の罰則*2とか少年法改正*3とか制度は多少変わったといっても、大本が同じなので、被害者の環境が劇的によくなっているわけがない。
基本法ができれば*4、いいほうに変わるはず。変わってほしい。


あすの会は、法律改正や刑事司法制度改正関係で動くという当初からの目的遂行にいそがしそうだ。
犯罪被害者の権利と被害回復制度の確立を求める意見書」を議会に提出したり。
個別の被害者への応対を主な目的とする自助の会ではない、
(全くやらないわけではなく、弁護士への相談の取り次ぎとか個別対応もされてます。
他に、集会では裁判の日程を板書して傍聴等いけるひとは行く、とか)


よくもわるくも、当事者のみが参加している会。
支援ボランティアはほとんどいません。
新規会員を「募集」しているのかどうかすら、あやしいなあ。
正会員資格は「被害者に限る」、入会金ゼロ、会費ゼロ、
ちなみに会員には特典として、不定期にニューズレターが郵送されてきます。


そのために、元日弁連副会長の岡村弁護士があすの会代表として被害者の立場から発言していただいている、ということがとても大きい。
庶民の一般人の被害者が同じ成果の活動をしようとしても絶対ムリです。
就職活動よりも「コネと金」の必要な世界なのに、運営資金が寄付金のみなんですよ!。
うーん、残念ながら、ひきこもりは犯罪にくらべて歴史が浅い最先端分野だからなー。
社会的地位の高い人(元、でも可)で、「当事者です」という人材が少ないから苦労も多いだろうと思ってます。
学歴社会/肩書き社会の日本では特に。


しかも、犯罪被害者の場合は「なりたくてなったわけじゃない」が通用することが多いけれど、
(性犯罪とかストーカーとか、苦しい場合があるけれどもねー)
ひきこもりの人が同じ言葉をいってもなかなか理解してもらえなさそうだ。
犯人がいないから警察もうごかない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


えーと、なにがいいたいのかというと、レポート公開には賛成です。
シンポジウムは広報活動/啓蒙活動だと考えているから。


> いや、仮によくても、僕の記憶違いとかで間違った
> 情報を書いてしまった場合、それが加害者側や被害者側に
> 不利になって、トラブルにならないか。


なりません。


マスコミの取材記者が誤報をしても、だれも責任とってないじゃないですか。
(こらこらこら、)冗談でスー。


記憶違いで間違ったレポートが出るというのは、明確な発言をしなかったパネリストの責任でもある。
一応、「メモを元に作成したレポートです。」という調子で詳細記事へのリンクをのせる前に、文中の各被害者の連絡できる人は確認とってみては?
「2000クレオ大阪でのシンポジウムのレポートを改めてこのように載せようと思いますが、いいでしょうか」と連絡して、了承されなかったらその方の部分は上山さんのコメントだけにするとか。
当時と今との状況の違いのコメント求めるのもありかなー。*5


もし上山さんがやるのがまずい、というなら私がきいてもいいですが。
まあ、そんなに心配しなくてもドーN、と載せちゃえばいいと思いますよ。


私は事件の刑事裁判の判決文を入力してアップしてるけれども、それに関してメールは何もきてません。


「被害者でも加害者でもない普通の人」がとりくめる被害者支援の視点は、貴重だ。
冷静で客観的で現実的で建設的で、何より最大多数の意見。


私は被害にあう前の感覚や、何がわからなかったのか等、もう思い出せない。
関連の本を読んだりシンポジウムとか行っても、
「そんなのもうわかってるよ、だからこれから何をしたら変えられるのか知りたいのに」
という感想で終ってしまう。
それでもアンケート用紙の回答とか読むと
「感動した」とか「きてよかった」とか「はじめて知ることが多かった」とか
そんな言葉が多いから、「ああいう調子が一般にはちょうどいいのかあ」
と感じるなー。
私の謙虚さが足りないだけといえば、それまでなんですが。


あすの会での署名活動の時きいた
「話題のきっかけなんやから、まず知ってもらう事が重要。何人分署名してくれたのかよりも何人が話をきいてくれたかのほうが肝要。署名の数集めが目的なら名簿でも電話帳でもみて、書き写せばいいだけだ。」
の言葉を思い出した。


まとまりなくてゴメン。


デハデハ〜再見デス
BY K