2005-03-20から1日間の記事一覧

カネ(今後の焦点)

ひきこもり支援業界における「顧客×支援者」のトラブルは、どうやらそのほとんどがカネ絡みのようだ。私自身の体験も含め。*1 なのに、「ひきこもり支援とカネ」の関係を、まだほとんど誰も論じていない。 おかしい。 「カネ」をめぐる支援業界の難しい事情…

「評価軸の複数化」と「競争原理」の必要

評価軸を能う限り複数化して、その各軸においては優勝劣敗の競争原理を導入する必要がある。 以前あるひとが、「優秀な人を見るとわくわくする」と言っていたが、「できない人」ばかりでは、転移が起きない。すごくたくさんの評価軸があった上で、そのそれぞ…

転移の必要

粘れない人には、どうしても「粘れ」、つまり「汝の欲望を諦めるな」という説教をしてしまう。 → 相手の自発的ねばりを起動し駆動するためには、やはり転移が必要ではないか。 たとえば私は野球が嫌いだが、イチローは好き。 → 各ジャンルに生きる各人が、そ…

中間集団機能と、「ねばる」

中間集団については、「自動車学校のように機能主義に徹すればいい」という意見もあるが、流動性が高すぎると、欲望をすぐに諦めてしまい、ねばる、つまり「欲望を諦めない」という要因が失われる。

比喩と臨床

ある方から、「紙媒体は、ネット言説に比べて引きこもっている」という比喩表現をいただいた。 それはあくまで好意的なニュアンスのコメントだったので、もちろんうれしかったのだが、比喩として用いられる「ひきこもる」という表現*1と、苦痛に満ちた具体的…

教育とは相互成長

「すでに完成した不動の教師が教えて、無垢の生徒が変えられる」という発想のみの権威主義は最低。 初等教育や、政治的啓蒙活動はまた別の話が必要。

「現場=当事者」主義

「思想家の○○がどう言っていたか」ではなく、「自分の現場でどう頑張るか」ということ。 現場意識を持てないフェティッシュな思想談義では、どうしようもない。 たとえば私は、「文学について」「経済について」「音楽について」など、各トピックそのものを…

「≪現在≫の忘却」 = 「自己言及の拒否」

鎌田哲哉氏による「LEFT ALONE」批判 *1 には、「≪現在≫が忘却され隠蔽されている」(大意)という議論があるが、これはそのまま「自己言及の拒否」に関する話ではないか。 現在の自己を忘却し、ひたすら他罰的に振る舞うこと。それへの怒り。自己反省。 *1:…

「超越論的な場」――公共圏と排除*10

フランスでは、(生活空間や公共圏に)すでにして超越論的な場が開かれているから、いきなり想像界から象徴界*1に向かえる。 日本では、まず同調集団から(心身症のようにして)≪はじかれ≫て、そこで初めて「思考=超越論的な場」が開かれ、分析の consisten…

去勢2態

ひきこもり状態については、(フロイトの精神分析を参照しつつ)「去勢されていない」という言い方がされることがある。 去勢は象徴化に関わる*1が、「欲望を諦めない」という形での去勢なのか、それとも「同調圧力に屈する*2」という形での去勢なのか。日本…

「慣れる」の功罪

「慣れる」というだけなら、「まぁこのままでいいじゃないか」という現状追認(肯定)の順応主義が否定できない。同調圧力への屈服。 「これではまずいのではないか?」と思い始めた途端、周囲の世界との不協和音が始まり、生きづらくなる。雇用に絡んだ恫喝…

悩み方

どんな仕事であれ、トラブルのない仕事はない。だとすれば、「どんな仕事につくのか」という選択は、「どんなトラブルを生きるのか」という選択だ。 「順応せねば」とか「生き甲斐は?」などと考えるより、そう悩んだ方がはっきり効率的だし、元気が出る。

試み

「自分の体験情報を通過させつつ、ひきこもりの最深刻な純粋理念像を描き出し、そこから具体的な対案を考えてみる。」 「理論的に純化された議論と、素朴な具体案とを往復する。」

弱者たち

何も活動できない当事者は、私に「俺の代わりに戦ってくれ」と言ってくる。 何らかの願望があるなら、君は君で自分の戦いをやってくれ。一方的に私に押しつけるな。 少し活動している当事者は、私に「お前のせいで俺の主張が抑圧される」と言ってくる。 君が…

「あいつらのせいで」

TVで取材を受けたり、出版や blog で活動したり、イベントで発言したり*1、といった人たちに対して、一部の当事者・関係者からは、「やめてほしい」という声が挙がっているらしい。 「サバルタン」(代理表象論)云々だけでなく、「あんな奴らと一緒だと思わ…

当事者の方向性

「当事者が発言する」ことについての、いくつかの問題。 ひきこもり状態を経験した人間が、「(上山のように)当事者発言を試みる、そこに固執する」ことで、かえってその当事者(経験者)の人生を停滞させるのではないか。そんなことをするよりも、ひきこも…

「譲歩するな」

「欲望を諦めるな」*1という場合、それは「じゃあ1日中ゲームばっかやってよ」なのか、それとも別の何かなのか。僕は後者の意味でしか興味がない。 ひきこもり当事者が現場の変革要因であるとしたら、本人なりの「譲歩しない」が、地に足のついた話になるし…

「同調圧力」 ←→ 「打ち合わせ能力」

「コミュニケーションこそが重要」とする要請の抑圧性。 「分かり合う」ことなど出来るわけがないのに、「無言の信頼関係」が要求されるのはおかしい。 日本の学校や職場においては、「コミュニケーション能力がある」とは、あるいは「大人になる」とは、「…

「働け!」 → いや「コミュニケーション重視」 → やっぱ「とにかく現場へ」

これまでの良心的・民主的ひきこもり支援においては、「働け!」という暴力的説教への抵抗という意味もあり、「まずは(支援施設などで)コミュニケーション能力を身につけ、それから就労へ」という、2段階の道筋が重視された。拙著にもこの記述がある*1。 …

 打ち合わせメモ

19日に知人たちとした議論、それに20日に三脇康生氏と電話で交わした議論が非常に重要に思えたので、ここに簡単にレポートしておく。提起された論点のメモと、私の考えを少し。 花粉症と風邪で目かゆいし喉痛いし頭ボーっとしてる。 げほごほ。