2003-09-01から1ヶ月間の記事一覧

フットワーク

東氏をはじめ「頭がいい」と感じる人は、対象への粘着と切断のバランスやタイミングが絶妙だ。「頭が悪い」人は、逆に不必要にいつまでも対象にダラダラと粘着し、逆に肝腎なときにほったらかす。僕は欲望に関して不安定なので、今はひとまず「快感の糸をた…

地下室の欲望

ある程度外に出てこられる人にどうアプローチするかについてはいくらかアイデアがあっても、完全に閉じこもってしまった人の「欲望」をどう起動させるのか、という点だけは分からない。で、そこが最も深刻。昨日の僕は「ひとまず魅力的な作品や動きを作り出…

本屋を出て

こんなことを考えながら歩いていた。時間経験が没頭経験の継続である必要がある。それ以外の仕方ではほとんど支えられない。とくに僕はもう35歳だ。かつての僕にとってはもう死んでもいい歳。ナルシシズムでは自分を支えられない。鏡像は文字通り見るのも嫌…

帰路

三ノ宮でジュンク堂センター街店に立ち寄る。懸案の『ファウスト』(講談社)ようやっと購入。本屋に来たのは何ヶ月ぶりだろう。せっかくなので思想・哲学・心理のコーナーなど見て回り、いつの間にか立ち読みに没頭。 スラヴォイ・ジジェク『信じるというこ…

親の会

1:40〜4:00、親の会でゲスト講師。ほぼ喋り詰め。あれでよかったのかどうか。終わってから、いつものように非常に耐えにくい空虚感の発作のようなものに苦しむ。引きこもりについて内面を吐露するように喋り尽くしたことで自分の内面が全て吐き出され空洞…

デビューネット

ほとんど眠れないまま朝を迎え、外出。淡路プラッツ10時到着。お昼までミーティング。お誘いしていたgojo氏id:hikilink:20030916とも会えた。 ひきこもり支援は、「ひきこもり」か「過酷すぎる就労」かの二者択一を迫るのではなく、いわば「第三の道」を目指…

昨晩

TBSラジオに東浩紀氏が出演して、放送は聞けなかったが直後にネット上でだいたいの内容と反応を見るid:hazuma:20030920。「表現の自由」論がいつの間にか「若者が恐い」論になっていたらしい。 コミュニケーションの取れない相手のイメージが怪物化するのは…

没頭。

7月の始めにNHKの収録に参加して以来、仕事もせず、外出もせず、ほぼ引きこもっていた。今日は久々の外出。ひきこもりについてのミーティング参加も3ヶ月ぶりだ。

おびえ

思えば僕は、たとえば野球の話を熱心にする人が恐かった。聞いたこともない名前が次々に出てきて、ものすごく生々しく具体的な話を展開する。どうも僕が抽象的な議論に沈潜したのは、世界にあふれる具体情報の洪水に恐怖したからではないか。その恐怖に萎縮…

退行

自分の言語も嗜好もひどく風通しが良くなってさばけてきていると同時に、ひどく摩滅して貧困になってきているように思われる。新しい興味に向かうことも難しく、僕は10代から20代にかけて自分が熱心に取り組んできたはずの書物やテーマにふたたび向かってい…

しかし

とにかくやってみるしかないのだろう。

もちろん、「やりたいこと」などというのは戯言(ざれごと)にすぎない。生きるためにやりたくない仕事をやって、食うのが精一杯のギリギリの生活をしている人たち。 だが、行動の前提は簡単なものにとどめておいて、ひとまず動いてみること。僕にはひきこも…

そしていなくなった

上のようなことを書きつけ、パソコンの電源を落として『白線流し』という青春恋愛ドラマの再放送を観ていたら、携帯に着信。僕も以前交流のあった女性が自殺した、という。携帯を切り、ふたたびTVの青春ドラマへ。画面の中の、自分の将来や恋に思い悩む高校…

欲望

僕が理論に興味を向けるのは、どうも自分の欲望を正当化したい、「自分はコレを欲望しているのだ」ということを自分自身に向けて説得したい、ということじゃないか。なんでそういうことをせねばならんかというと、欲望が弱いから。理論的に説明したいという…

そしていなくなった

最近ようやく眠れるようになったと思ったら、また駄目になった。イベントが近づいてきたからか。 鬱病には生物的要因がある、というけれど、「責任感が強い人がなりやすい」「ストレスを背負い込まないように」など、生物的とは思えない説明もあって・・・。…

ひきこもりの共同体

斎藤環氏は、「ひきこもる人たちの緩い共同体をどうやったら作れるかが今後の課題です」と語っているhttp://www.mammo.tv/interview/archives/no017.html。同時に「おたく共同体のあり方には、ひきこもりを救済するヒントがある」。しかしひきこもりには、オ…

作品づくり

何かアクションを起こせば、おのずと立場が問われる。そのときに、理論的に考える必要が出てくる。単なる「感想」や「印象」ではない形で自分の正当性を試みること。(ひきこもりの世界はあまりに無手勝流だ。) よく言われることだが、理論において喫緊の課…

ヒント

大江健三郎氏と息子の光氏を取り上げたTV番組を観る。(10年ぐらい前の作品の再放送) 直前に2ちゃんでセックス関連の板を見て苛ついていた。性的磁力をまるで持たない光氏の朴訥な様子を見ていて、なんか中和され・・・。性的他者を意識する自意識がまった…

「甘えている」

ひきこもりへの非難として、「甘えている」「親に食わせてもらって」「自分だって状況が許せばひきこもる」などがある。多くの人が抱えている意見だと思う。 不思議なのは、こうした罵倒を寄せる多くの人は、「本当の大金持ち」に対しては非常に寛大だという…

本番

やむを得ぬひきこもり状態においては、全てのことが宙吊りになっている。自分が生きたいのかどうだか、人と付き合っていくとはどうなのか、人の集団はどのように成り立つのか、社会はどんなことを動因にして動いているのか、・・・こんなこと考えてていいの…

生き死に

「自殺者数、中国で年間約28万7000人(2分間に1人が自殺)」(毎日新聞) 自殺率が日本に近づいてきたということか。 世界ではポコポコ生まれ次々死んでいる。 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/7666/ricky/world/world.html

それにしても

僕の言葉はあまりにも硬直しているように見える。僕は相変わらず、「世界がこのようである」ことに驚き怒り途方に暮れている・・・。それにしても、なんで世界は「こう」でなくちゃいけなかったかな。もう、人間ったらただの肉の塊・・・・電車やバスが「肉…

ホンバン

トラウマやPTSDをテーマにした場合、対象が研究者(あるいは支援者)をその対象そのものの文化的豊かさによって魅惑する、ということはない。無数の悲惨な事実は、むしろ観察者を疲弊させる。研究書は往々にしてお互いにひどく似通ってしまう、貧困なまま。…

歴史

外傷神経症に関して取り組んだ研究者はすべて、これまでに誰一人としてこの外傷神経症という問題を扱ったことがないかのごとく、この問題の探求を、あたかも自分に与えられた聖なる使命であるかのごとく、常にゼロから開始してきたという嘆かわしき事実があ…

時間

哲学者がよく「時間」について考えるが、それはとりもなおさず「時間」が恐ろしいからだと思う。われわれは時間を止めることがどうしてもできない。時間経過の射程圏外はない、つねにすでに時間は過ぎ去っている。過ぎた時間は永遠に帰ってこない。時間は、…

スタンス

ひきこもりの問題領域をそのままPTSDのそれに重ねることはできない。でも、支援のスタンスとして、PTSDの領域で積み重ねられてきた知見を参考にすることはできる。 本人が望まないのに訪問活動を敢行するのはやめるべきだと思う。親だけがそれを望んでいる場…

去勢といえば

斎藤環氏はみずからの対談集『OK?ひきこもりOK!』(マガジンハウス)で、宮台真司氏を相手に次のように語っている。 性体験自体は一つの去勢だと思います。(中略)実際に性的なパートナーを見つけ、性体験を重ねることは、自己イメージが有限性を獲得して…

去勢

『トラウマティック・ストレス』を読み進む。「トラウマ」は、僕にとって「去勢」の指標なのかもしれない。

サブカルチャー?

ひきこもりもPTSDも、少数者の置かれた苦痛に満ちた状態だ。そこでは、少数者独特の文化が形成されてもいいのにと思う。でも、なかなかそうはいかない。 言葉にされることを待っているものを明確に言葉にすること。ひとまずそこから始めるしかないか・・・。…

『網状言論F改』(東浩紀・編著、青土社) 『トラウマティック・ストレス』(ヴァン・デア・コルクほか、誠信書房) 安易な「癒し」に結びついたトラウマ物語がつまらない、という東氏らの指摘はうなずけるが、もちろんだからといってトラウマという問題系…