フットワーク

 東氏をはじめ「頭がいい」と感じる人は、対象への粘着と切断のバランスやタイミングが絶妙だ。「頭が悪い」人は、逆に不必要にいつまでも対象にダラダラと粘着し、逆に肝腎なときにほったらかす。僕は欲望に関して不安定なので、今はひとまず「快感の糸をたどる」などと称してかなり強制的に強引に対象に粘着することを自分に課して意識の薄皮がはがれてゆくのを待っている感じ。これまで本の字面を追っていてもほとんどアタマに入ってこなかったわけだが荒療治でも何でもやってみるしかないと思っている。アカデミズムとジャーナリズムを横断するような真のアクチュアリティある文体のための訓練か。そしてその文体はそのまま対人関係の訓練でもあるはずだ。過剰な奴隷意識や過剰な無関心(の装い)からの脱却。