愛と反復

A.I. [DVD]

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二度目の視聴で、感想の部分的メモです(ネタバレ注意)

  • 《関係性*1が、間違った作法にある》という問題設定は、物質にも動物にもない。 プログラムされた反応と、自分で変化させたから自分の罪である反応。
  • 人間であることとないことの境界は人間が作ったものではない(線引きという現象は人間が作ったものではない)。 時空間と人間が、このように作られていなければ。
  • 「現象のマネジメント」という究極で唯一の課題。 2000年後の人工生命体は凄いレベルで物質を操作する。
  • 「大切にする」は、すぐに燃え尽きる偶然の営み。 現実は忘却を苦痛としない。 1億年たったら誰も覚えていない。
  • 制度も対象関係も、同じパターンを反復できる。 しかしデイヴィッドは、「僕を受け入れてくれる誰か」でなく、「あの人」の再生を望んだ*2。 考えてみれば人工知能には、「一回性への欲望」がない。 この「一回性」の過剰さを抱えられるか否かが、決定的分かれ目になる。
    • 「反応はあっても欲望はない」(登場当初のデイヴィッド)
    • 「消費はあっても愛はない」(ゴミ山に捨てられるロボット)


*1:受容/拒絶

*2:あの時あの場所に一度きり生きていて、「この私」を愛してくれた人。 自分と相手を同じ DNA で再生しても、「あの関係」と同じ現象ではない。