望まざる・・・

雑誌『諸君!』6月号*1に、斎藤環氏と長山靖生氏(歯科医・評論家)の対談≪「フリーター」(400万人)と「ひきこもり」(100万人)への処方箋≫*2が掲載されている。立ち読みしてきた。以下、記憶による議論の大意と、それへの僕のコメント。

  • 「漫然とフリーターを続けていれば悲惨なことになる、というナマの実情をレポートして見せつけるべきではないか」
    • 若いうちはともかく、20代半ば以降は「やむにやまれずフリーター」の人が多いのではないか。実際、ひきこもり当事者にも、フリーターにも、「夢は正社員雇用」という人がすごく多い。
    • 企業自体が「クビにしにくい正社員雇用」を嫌っている面がないか。


  • 「若い間はよくても、年齢とともに仕事はなくなるし、技術やキャリアの蓄積もないからジリ貧。もちろん体力も落ちてゆく。15年ほど前、若者たちは『フリーターはカッコイイ』と勘違いしていた」
    • そのままの認識を当事者たち自身が持っていて、だからみんな焦っている(そういう認識を10代の早い段階から持つのは大事だと思う)。
    • 当事者を責めるばかりではなくて、社会的な選択肢を具体的に増やす必要があると思う。


  • 「若者が全般に≪欲望≫を持たなくなっているのだが、仕事への意欲を持たせたいなら、異性への欲も認めてあげるべきだ」
    • 引きこもっていて欲望が失われていても、あつあつの「恋愛・セックス話」を聞いてショックを受ける人が多い。自覚していなくても、性愛的欲望は根強く残っているのではないか。 → そこに欲望刺激のヒントはないか。
    • って当ブログでは前から言ってるんですがなかなかね・・・。「男性当事者は女性を熱く求めている」とか言うと女性が引くのは当たり前であって(笑)。どうしたもんか。



斎藤環氏が挙げていた「去年の餓死事件」についてのスレッド:
「32歳無職女性が餓死か 東京・昭島市、友人も衰弱」。 さらにその次スレ



*1:目次を見ていただければ分かるが、この雑誌の編集者がどのような目線と問題意識をもって「フリーター」「ひきこもり」を見ていることか。これを他人事のように語れる当事者はいるのか。社会の非寛容さが増しているように感じるのは僕だけか。

*2:ニート(無業者)というカテゴリーが抜けとりますな。