『Politique et psychanalyse』(1977年)を原書とする邦訳『政治と精神分析 (叢書・ウニベルシタス)』掲載の論考「精神分析と政治」には、
タイトルを変えた同じ文章「欲望の闘争と精神分析」があり、
それは邦訳『分子革命―欲望社会のミクロ分析 (叢書・ウニベルシタス)』(1988年)に掲載されている。ところがこの邦訳「欲望の闘争と精神分析」は、邦訳「精神分析と政治」と細かい異同があるうえに、分量的に半分程度までで終わっている*1。
英訳版『分子革命』である『Molecular Revolution: Psychiatry and Politics (Peregrines)』(1984年、品切れ)には、「Psychoanalysis and the Struggles of Desire (精神分析と欲望の闘争)」のタイトルで同じ文章があり(参照)、こちらは邦訳「精神分析と政治」と同程度の分量があるが、詳細にチェックすると、やはり細かい編集がなされている*2。
それぞれについてグァタリ自身のフランス語を確認したいのだが、参照すべき以下の原本すべてが品切れ(あるいは絶版?)となっている。
-
- (1) 『Politique et psychanalyse』(1977年)*3
-
- (2) 初版『La révolution moléculaire』(1977年版、Recherches社)
-
- (3) 『La révolution moléculaire』(1980年版、10/18叢書) 【邦訳『分子革命』の原本】
(2) と (3) は、収録されている論考の取捨選択や改訂で、お互いに大きく違っている。
*1:こちらの引用部分は、邦訳『分子革命』では削除されている後半部分にある。
*2:たとえばイタリアの反精神医学の活動家ジョヴァンニ・イェルヴィス(Giovanni Jervis)個人への言及は、英訳版では部分的に削除されている(pp.66-7)。
*3:この本に至っては、amzon.fr の項目それ自体がない。