「表現準備」

practica〈2〉アート×セラピー潮流 (プラクティカ (2))』掲載の三脇康生の論考は、「表現準備状態」を論じており、同じ三脇の精神科臨床についての論考も、「表現準備療法について」と題されている*1。 美術批評家としても臨床家としても、三脇においては《プロセス》というモチーフが決定的だが、これは三脇の活動が(美術批評と精神科臨床という)「二足のわらじ」なのではなく、「まったく同じ取り組みモチーフが、既存制度では分かれた専門ジャンルを持っている」と考えるべきなのだと思う。 そこでは、批評が機能しない臨床はありえず、臨床的効果を視野に入れない批評はあり得ない。



*1:仁愛大学 心理臨床センター紀要 創刊準備号(2005年3月) pp.11-19