脱法的な倫理的取り組みとしての、「関係当事者として」

要旨

当事者性の強調は、単なる制度順応とは別の仕方で――脱法的に――「自分の問題に取り組む」ということ。しかしそれは、交渉関係の前提を整備することにすぎない。何かの事案についての当事者性は、万能の主張権限や特権ではない。▼その取り組みは、倫理的には英雄的であり得ても、あまりに受傷的であり、制度的強制力を持たないために、非常に脆弱に見える。

      • 《脱法》の辞書的な意味は、「法に触れないように悪事を働くこと」。しかしこの論考では、「脱制度的な、オリジナルな創意にあふれた活動」というほどの意味。単に反社会的な言動は、むしろ陳腐なパターン踏襲でしかないことが多い。