この法案が提出される背景などが、まずVTRで説明される。
ナレーション*1:
NEETとは、「Not in Employment, Education, or Training」の略。 イギリスで生まれた言葉で、働かず、学ばず、そして職業訓練も行なわない若者らを指す。
画面には「働かない若者」「ひきこもり」の文字。
「ヤマンバ」的格好の男女の集団が映る。 スタッフが「この中でニートのかたは?」と訊くと、「はい」と何人も手を挙げる。
個別にインタビュー。 ナレーション:「彼らにまったく危機意識は感じられない」
さらに、生活保護を受けているニートすらいるという。
画面に登場する表やグラフ。
ニート 約64万人 フリーター 約213万人 若年失業者 約148万人 定職に就いていない若者 合計 約425万人
ナレーション:今やニートの問題は国会でも取り上げられ、若者の雇用対策費はなんと761億円*2。 【略】
たとえば新たに全国95箇所に設立されたジョブカフェ*3、いわば若者版ハローワーク。 中を覗けば、本当にカフェと間違うほどお洒落な内装。 就職相談やインターネットも無料と、気軽さを売りにしている。 そして厚生労働省がNPOに委託している若者自立塾。ナレーション: 「こんなニート支援施設について、当のニートたちはどう思っているのか。」
ニート300人に行なわれたアンケートによると、98・7%がニート支援施設を利用したことがないという結果*4。 利用者の少ない施設を税金で作る意味などあるのか。 ニートが流行語になったことで、もしや彼らを時代の最先端にいると安心させてしまっているのではないだろうか。
「そこで、ニート対策を一切禁止します。すると日本はこう変わる。」
ナレーション:ニートに対して冷たい世間。 ニートは自分たちが時代遅れの存在であることを自覚する。
そして2007年以降、団塊世代が続々と退職。 ニートを抱える親はそれでも子供を養おうと、なけなしの年金を使ったり、老体に鞭打って必死に働き続けなければならなくなる。 そんな親の姿を目の当たりにし、将来に初めて不安を覚えるニート。 ついに危機感が芽生え、働くことを決意する。 もちろん失敗もするだろうが、働かずには食べていけない。 そのうち、汗を流す喜びも知るだろう。 若者の労働力・経済力アップとともに、年金未納問題も一挙解決!! こうして日本は平和になったのだ!!
*2:2006年度「若年雇用対策費」。→【参照】:「政府の「若者自立・挑戦戦略会議」は1月 17 日、若者のフリーター・ニート対策に関する 2006 年度の「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」(PDF)をまとめました。同年度内に 25 万人のフリーターを定職に就かせることを目標としており、対策費として今年度比 5 億円増の 761 億円を投じる方針です。」
*3:参照:「ジョブカフェ事業の成果と今後の展開」(PDF)
*4:アイブリッジによる「働くことへの意識の違い」についての調査より。 【参照】
*6:俳優