社会問題と言説生産

社会的な問題が扱われるときには、《言葉》が媒介となる。 というより、「それについて考える」という営みは、公私を問わず「問題化する言葉の生産」なのだから、特定の問題をめぐる言説生産は、それ自体が重要な社会的任務(仕事)であり得る。 ▼その問題について語る言葉が貧困であればあるほど、その問題は社会的に軽視されている。既存の概念枠組みでじゅうぶん処理可能であり、オリジナルの議論テーブルを用意する必要はない、と思われている【「甘えである」「治療せよ」云々】。 ▼社会的認知の進んでいない苦しみのジャンルに関しては、実態に即した議論の生産が喫緊の課題である。