「共同体回帰」?

 会議では、韓国の不登校への取り組みとして、合宿と共同遊戯(仲間と協力しないと遊べないゲームなど)を紹介したビデオが上映された。小学校低学年への取り組みなのだが、参加にはものすごい大金(たしか30万円?)がかかるらしく、一般的ではない。


 もっと気になったのは、ああした試みが、日本の不登校への取り組みにも見られるような、「共同体回帰主義」の要因を含んでいるのではないか、ということ。日本と韓国では体質が違っていて、どうやら韓国の方が共同体的体質が濃厚らしいのだが(これについては後にいろんな形で聞かされた)、僕自身はそういう「共同体に復帰せよ」みたいなメッセージがひどく苦手で苦しんできたので、韓国にそのような文脈しかないとしたら問題ではないか。【付記:当ブログではかつて「洗脳」というテーマが話題になったことがあるが、誤解を恐れずに言えば、ひきこもり支援には常に「洗脳して社会に復帰させる」という危うい要因がつきまとう。】


 社会から逸脱した人間が再復帰を試みるとき、「共同体回帰」以外のプログラムは提示できないのか。「人間的支援があるにもかかわらず、開放性が維持されている」という難しい状態が重要ではないか。