2006-07-15から1日間の記事一覧

「ミュンヒハウゼンのトリレンマ」

ある価値観の正当性を主張しようとすると、「無限背進」「論理循環」「正当化の恣意的打ち切り」のいずれかに陥ってしまうことを、ドイツの哲学者ハンス・アルバートは「ミュンヒハウゼンのトリレンマ」と呼んだ。*1 ある価値観は、外部の「客観的権威」で保…

「汝の症状を生きよ」について

読書会チャットでは言及できなかったが、私が『家族の痕跡―いちばん最後に残るもの』(斎藤環)で最も鮮烈な印象を受けたのは次の箇所(p.171)。 私は価値観という言葉を、ほとんど「症状」と同じような意味で用いざるを得なくなっている。 「価値観とは症…

ひきこもりと摂食障害を比較しながらの研究会に参加。

医療化の目線を採るならば、私のblogや著書は、その全体が「患者の症状」として陳列される可能性がある*1。 いや、そもそも「健常者」とは同列に見られていないかもしれない。 「社会科学における社会学」の位置づけと、「精神医療界における心身医学」の位…