「不自由の条件」

引き受けざるを得ないと思っている「条件としての不自由」の違いが、思想や立場の違いになる。
不自由は、単に制度的条件だけではない。本人の生きざるを得ない〈症候〉も、抜け出そうと思っても抜け出せない。
元気な人は、恵まれた条件をいつの間にか享受している。自由は、それを享受できる人にとってはうれしいことでも、その自由を得られず苦しんでいる側にとっては、不自由の条件をいっしょに考察する努力の拒否でしかない。逆に言えば、だからこそ元気な人は好きに動ける。
本人が意識しないままにクリアできている不自由の内実が違うために、話が合わない。