高木ひろし(たかぎ・ひろし)氏

愛知県議会議員、1953年生まれ。 【ご本人のHP

 事件発生後、すぐに名古屋市と愛知県の関係部署と思われる役所に集まってもらいまして、認識を尋ねました。 まず直接には、これはNPO法人の関連施設でしたので、社会活動推進課というNPO法人を管轄する部署。それから健康福祉部の障害福祉課というところが精神保健衛生という観点で引きこもり問題に関係があるということで、その部署にも来てもらいました。 不登校の問題では教育委員会にも来てもらいました。 そして若者の就労支援といった意味で産業労働部も関係があるわけです。
 それぞれ国の労働行政、福祉行政、医療行政、文教行政といろいろなところがあるわけですけれども、全体からこの事件についてどう思うか、あるいはどういうふうに認識していたのかということを聞きました。 するとみんな、「それはうちの範疇ではなんともしようがなかったし、うちの範疇ではありません」というんです。 そこで改めて浮かび上がったことは、結局、五つの関係があると思われる部署の間に大きな「真空地帯」、つまり行政のどこも関知し得ない領域が広がっていて、今回はそのど真ん中で事件が起きたということだと思います。 (p.226-7)

現職の県議会議員の方による、貴重な証言。

 ほんとうは国に対しても、ガイドラインを出しただけではなくて、実施の、対応の根拠になるような法律的な、あるいは予算的な措置が打ち出されてしかるべきだと思います。 そういった国や県や市に求めていく具体的な中身について、私自身も勉強してこれから求めていきたいと思っております。 (p.230)

皆さんだったら、何をすればいいと思われますか。
実効力のある、しかも公的にも説得力のある支援の中身を形にして提示するのは、本当に難しい。


【了】