行動療法について

三浦: (全共闘の)頃にいちばん流行っていたのは「オルグするにはデモに連れていけばいい」ということだった。 まずデモに連れていく。 説明なんて抜きですよ。 デモに行って、向こうに機動隊が見えて、わっと機動隊に追いかけられれば、つぎの日からものすごく熱心な同志になる。 失恋とか自殺とか、うじうじした問題はふっとんじゃって、筋金入りのニューレフトに生まれ変わるんです。
小田: 行動療法的なやり方ですね。
三浦: そうです。 右翼だろうが左翼だろうが、つまりナチスだろうがスターリニストだろうが金日成だろうが、ぜんぶ同じやり方なんですよ。
小田: だからね、なんにもしないで子どもの成長はうまくいくかというと、いまのようになっちまう。
三浦: そうはいかない。(笑) 行動療法なんてのは人間に対する侮辱ですよ。 そのジレンマを解決するためにも精神と身体の重層関係を解明しなきゃ。

三浦氏に同意。 ただし、行動療法で元気になれる人の確率はゼロではないだろうし、そういうことを試してみる選択肢はあったほうがいいと思う。 問題は、それが公的かつ大規模に強制される場合。