「美しさは倫理を犠牲にしている」(斎藤環)

先日の対談イベントより。
児童労働がひたすら美化される宮崎駿アニメや、『美しい国へ (文春新書)』(安倍晋三)を例示しながら、「働くことは美しい」という思想や言説が問題化された。
斎藤環氏自身は、個人的な美的感覚としては「働くことは良い」と感じるが、それは倫理的判断とは別に考えるべきだという。
それを受けて考えれば、
フィクションやドキュメンタリーにおいて、ひきこもり当事者(を意味する人物像)が、「気色の悪い男」として描かれたり、逆に過剰に美化されるとしたら、それは「美的なものが倫理を犠牲にしている」と言える。