小冊子『「待つ」をやめるとき』

ひきこもっている人には、なるだけ安心して、いつまででも閉じこもっていてほしい。
しかし、そのような「永遠の待ち」の姿勢は、状況を硬直させ、10年の時をあっという間に過ぎさせる。失われた不本意な時間は、無力感をいや増し、心と経済の事情を悪化させる。
ではかといって、強引に引き出せばいいのか?――否。無理をしたって、ぜったいに長続きはしない。
「待つ」のでもない、かといって「強引に引き出す」のでもない、そんな支援努力のあり方とは…?


僕は、1冊購入して読破、すぐに地方の親の会に紹介し、さらに自費で20冊購入した。これから、講演会などでお招きいただくたびに何冊か持参し、実費で販売するつもりだ。
「待つ」のか、それともそれを「やめる」のか、いやでもそれでは……。ひきこもりをめぐる最も核心的かつ悩ましい論点について、支援現場のベテラン3人がすべてをさらけ出して語っている。試行錯誤の中での、指針の変更、そこに起こったトラブル…。
ひきこもりについて、とくにその直接的な対人支援や家族の対応について考えるのであれば――そしてまた、当事者として、「支援者が何を考えるのか」を知りたいのであれば――、必読の小冊子だと思う。