『風俗は行ってみたい気持ちはあるが、一時の擬似恋愛的な気分で風俗に行くよりは好きな女性とSEXしたいと思っている。』

 僕自身の感じから言っても、出会った当事者たちの話を聞いても、斎藤環さんの本を読んでも、この gecogecco さんの知人男性の感覚は、ひきこもり男性にはとてもありがちなものだと思います。これはどこまで普遍性あるかわからないけど(ってここに書いていることは全部そうだけど)、僕の身のまわりでは、風俗で遊んでいる男性というのは、むしろ生活圏で友人やパートナーとたっぷりセックスを楽しんでいる人です・・・・。
 もちろん、引きこもっている人にはお金がないので、金銭的な理由もあると思いますが、それより何より、引きこもりがちの男性ほど、異性関係やセックスに対して空想的、というかロマン主義*1な期待を抱きがちなんだと思う。「お金を払ってのセックスなんか、真のセックスじゃない!」とか。なんというか、「本物の恋愛に基づいた、真のコミュニケーションとしてのセックス」以外認めない、みたいな。そんな「真の」関係なんて、リアル世界ではほとんどあるわけないのに――いや、絶対にありえないのか?――、「本物以外はクズだ」とかの思い込みが激しいので、ますます人間関係が作れずに孤立しちゃうというか。(そもそも恋愛に限らず、人間関係すべてに「完璧」を求めすぎると、逆に人間関係が作れなくなる、というのはよく指摘されることですけど。)
 思うに、そういう「真の」関係を強く求めすぎるというのは、それ自体が防衛機制かもしれない。相手の存在に縛りをかけるために。≪現実≫に触れずにいるために。
 ・・・・いや、そこまで言い切るのはむしろ僕の思い込みかな・・・



*1:セックスをすぐに「承認」に結びつけるのもそういうロマン主義かも。