中立?

 「ひきこもりを支援する」と称する個人や団体は数多いが、それぞれが独自の思想的立場に基づいて活動している。私自身、10代の頃には支援される側の立場で、そして最近はスタッフの立場でそういう団体に関わってみて思ったのだが、支援される人は、多くの場合その団体や個人の思想に染め上げられてしまう(というか少なくともそういう顔をしていないと居心地が悪くなる)。
 私自身はそういう党派性がイヤで、団体を飛び出したり、なるだけ派閥色が出ないようにネットワーク型の支援関係を目論んだりしたのだが、・・・・。
 果たして、「中立」というのはあり得るのだろうか?
 私はどうも、当事者各人が「自分の思想」を屹立させるしかないのではないかと思う。つまり当事者本人といえども、「中立」ではあり得ないのではないか。――というか、この社会に「中立」なんてあるのか。