茂木健一郎 クオリア日記: 「日本のクリエィティヴにダメ出し。」*10

日本の「クリエーター」たちは、自分たち
の世界を他者に対して語る言葉を持たない

である。
 そこにあるのは、仲間うちの
なれ合いだけで、外からの水が入り込んで
きてきゅんと緊張する場面がない。

 つまり、日本のクリエィティヴシーンに
おいては、「おれたちクリエーター仲間
だから」というクラブに属することが
何よりも重要なのであり

 会場を埋めた若いクリエーターたち
も、
 「いつかはあっち側に行きたい!」
と憧れるという構図がそこにあって、
 異質な他者と向き合ってコミュニケーション
するなんて話は、最初からない
のだ。

 コミュニケーションのスタイルが
仲間内のそれになっていることが、
決定的にダメなところで、
 作品は知らないが、言葉には、
それだけでキックが効いているものは
ほとんど皆無だった。
 つまり、商品にならねえんだよ。
 そりゃそうだ。他者に向き合わなければ、
キックの効いた言葉なんて出るわけないじゃん

 怒るのは愛の表現です。
 すばらしい新しいものを、本気で他者に向き合って
つくろうじゃねえか。
 居心地の良いぬるま湯につかっているやつらの
ことは、オレは知らない。

ひきこもり業界について、自戒を込めて。