弱者同士で語り合っていて現実は変わるのか。

  • 「難解な話」は、意志決定権をもった人たちを説得するために必要。 しかし政治には「多数者の意見」も(票や“世論”という形で)関係する。 → 多数者に向けての平易な説得や共感などのファクターも重要。
    • これは既存の言葉でいえば「理論と実践」、「コンスタティヴとパフォーマティヴ」といった問題意識か。 つまり、「正しいことを言っていても、言説実践として逆影響を持ってしまう」ことがある(ex. 難解なことを言い続けて反感を買う、など)。
    • ヒット作が、既存の文化モードをなぞっただけ(「俗情との結託」)としても、作品の流通経路が状況を変えることがある。 【『冬のソナタ』は、日本人の韓国への言及の仕方を変えたのでは?】
    • 「マイナーであるがゆえに支持を得る」というよじれた回路もある。


  • 「自立」を、精神論だけに還元してはいけない。 「正社員になれない」のは、企業側が正社員を忌避する雇用情勢や、「履歴書の空白を認めない」差別問題がある。
    • 排除・差別の問題に取り組むには、「自分が楽しければいい」とは言えない。 苦痛緩和に向けて現実への影響力を持ち得ない運動は自己満足でしかない。
    • 「なぜ自立しなければならないか」は、個人の問題であると同時に、社会の問題ではないか。 社会に余力がなければ、自立した個人が多数必要になる。