「引きこもり」から「虐待」へ

京都の講演会には、児童虐待防止・支援の活動をされているNPO『CAP』京都支部の方がお見えで、講演会主宰の方にご紹介いただきました。
斎藤環さんは「これからは引きこもりが増えるというよりも、児童虐待や自殺・ホームレスが増えるのではないか」と言っていて、無視できない意見だと思っています。
今の親世代は、子供が引きこもってもなんとか面倒を見てきましたが、現在30代以下の子供世代には、「思い通りにならない子供の世話をする」包容力も忍耐力もないのではないか、と。
最近、虐待による幼児死亡事件が頻発しています。「いよいよ始まっている」のでしょうか…。


ところで、『CAP』の方によると、被虐待児童に対する最も重要なケアは、「あなたは悪くないよ*1、大切な存在だよ」というメッセージを繰り返し聞かせることだそうです。 → 「固有名と愛」、「単独性」の話を思い出しました。「自分は望まれない、どうでもいい存在なんだ」という認識が、人の命を奪い得るほどの破滅的な認識だとして、しかしケアを志した支援者が、全ての子供に「単独的」と言い得る愛情を注げるでしょうか。
→ この話が、そのまま引きこもり支援にも当てはまると思うのです。詳しくは、また「単独性とイデア」を論じるときに考えてみます。



*1:「自己責任」論からすれば、「児童が虐待されたのは、本人がワガママだったからだ」ということになるんでしょうか。