社会学専攻の大学院生 ⑥ さん: 「ベーシック・インカム」

ベーシック・インカムというのは、「一定額の給付を成人全員に無条件に与えて、『働く』のはそれ以上の豊かさの欲しい人だけが頑張ればいい、という社会制度」です。
生活保護など、「審査 → 受給」という仕組みだと、「誰が受け取れて誰がもらえないのか」「スティグマ化」というクリティカルな問題が発生しますが、「全員が無条件に同額もらえる」ということなら大丈夫。
「働かざる者食うべからず」に対して、「食わざる者働くべからず」*1という視点、など。


社会保障というのは、そもそも「資本主義だけではまずいだろう」という政治的判断から来ているもので(19世紀には社会保障はなかった)、だから最初からマルクス主義社会民主主義?)的な文脈を持つものです。つまりその分、いつもキナ臭い論争にまみれている。
ベーシック・インカム」そのものには財政的・政治的な実現可能性も含めいろいろ問題はありますが、少なくともこのアイデアに直面していろいろ考えることが、引きこもりをめぐるキナ臭いテーマを考えるにあたってちょうどよい叩き台になるのではないか、と僕は思うのですが、いかがでしょうか。


カウンセリングなどの直接支援は絶対必要なのですが、政策論的な話をするのも、立派な「支援」ではないでしょうか。(僕自身は後者にシフトしています)



*1:この言葉、どこで読んだのか失念してしまいました。ご存知の方おられませんか?