一方に形而上学(プラトニズム)を捨て別の道行きを探したハイデガーがおり*1、
もう一方に、頑固なプラトニストのゲーデルが居る*2。
ゲーデルは思想信条としてはプラトニストなのに仕事は徹底的に現世的で、いわば唯物論的に具体的な記号と言語の扱いに拘泥した。ここに彼の引き裂かれた態度がある。
2人とも、《時間》に照準を置いている…。*3
*1:1930年代半ば以降のハイデガーについては、渡邊二郎氏の解説と翻訳が詳細な『「ヒュ-マニズム」について (ちくま学芸文庫 ハ 4-3)』(1997年)、『講座近・現代ドイツ哲学 別巻』(理想社、2008年)などが参考になる。渡邊氏は敷衍的な訳語をしつこく繰り返すが、ちゃんと分かりやすくなってる。
*2:ゲーデルの業績を理解するハードルは高いが――彼の母親がアインシュタインの相対性理論を勉強し始めたときに彼がしたアドバイスが参考になる:「抽象観念を恐れることはない、最初はすべてを理解しようとはしないで、小説を読むように進みなさい」(『ゲ-デルの世界: 完全性定理と不完全性定理』p.vii)
*3:
