「非局所性」という悩ましいテーマ

なんとか最後まで通読したが、そこで抱いた感想は次の個所に近い(同書p.326、強調は引用者)。

 ハンス・ハルヴァーソンなどは、非局所性について考えるのは諦めて、別の哲学分野に没頭している。「このテーマについて考えたことのある人はみな、興奮と鬱屈の段階を経験します」と、彼は言う。〔…〕フォティーニ・マルコープロは、もう何年も、このテーマを巡る高揚感と憤懣のあいだを行ったり来たりしている。「私は、勇気づけられているというよりは、意気をくじかれているんです」と、彼女は2011年、ブランチを食べながら私に語った。「この研究に一生を費やしていいのかどうか、迷っています。あまり成果は出ないようですし」。

人類は何か得体のしれない現象に触れてしまっていて、それはみんな気になってるし、このままずっと無視したまま、というわけには絶対にいかないのだが――どうやら今のところ、あれこれとアイデアを試行錯誤してるだけの段階に見える。