広島県福山市で2日午後3時ごろ、70歳の男が「息子を殺した」と、妻に付き添われ、警察署に自首してきました。警察は自宅で供述通りに長男(44)の遺体を発見。〔…〕
近所の人や警察によりますと、岡本容疑者と妻は10年ほど前に長男と別居。およそ3キロ離れた同じ福山市内に移り住みました。別居の理由について、岡本容疑者は、展政さんが自分以外の人が発する生活音を気にするようになったからと話しているといいます。
逮捕された岡本容疑者の妻は、息子のために掃除や洗濯などといった身の回りの世話を毎日のように行っていたということです。展政さんは10代のころに皮膚の疾患がきっかけで引きこもりがちに・・・。両親は治療のために全国各地の病院を回ったといいます。その後、展政さんは高校を中退。大検を受け、県外の大学に進学したものの、またも中退し、家から出ない生活が始まりました。
現在87歳の小松正泰さんも、引きこもりになったままの60歳の息子と一緒に暮らしています。息子は高校時代から引きこもりになりました。
事件前の状況についての記述は、ひきこもり関連としてはありきたりです。
動画末尾で証言してらっしゃる小松氏のケースは、本エントリ末尾の関連リンク先を見るかぎり、最初のきっかけは統合失調症だったようです。
支援まわりには、「社会的入院」という言葉があります:
医学的には入院の必要がなく、在宅での療養が可能であるにもかかわらず、ケアの担い手がいないなど家庭の事情や引き取り拒否により、病院で生活をしている状態。(コトバンク)
病院ではなく、自宅に引きこもってしまう場合には、
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- 社会的要因による家族内入院
といえる問題がありそうです。
関連
- 〔座談会〕「元気の出る精神科リハビリテーション」(医学書院、2003年11月24日)
- 小松正泰氏「引きこもりを再考する」(新宿区精神障害者家族会、2000年)
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- 引用→《今47歳ですから割合落ち着いて新宿へ行ったりもできますが、何かあるとまた逆上します。顔付きが変わって「俺がこんなになったのはおやじのせいだ、あんな病院に入れたからだ。オレは一生もうダメだ、生れてこなきゃよかった」って今でも言いますよ》