「ふつうの精神病」、「ふつうの倒錯」

文藝 2012年 02月号 [雑誌]

文藝 2012年 02月号 [雑誌]

立木康介氏の連載「露出せよ、と現代文明は言う」の第7回、「症状なき主体たちは彷徨う」(pp.296-313)*1
フランスや DSM まわりのジャーナリスティックな状況論と理論的解説が、からみ合いながら濃密にまとめられています。とくに「ふつうの精神病」(参照)と「ふつうの倒錯」について、いま日本語で読めるいちばん詳細な解説だと思う。
症状が顕在化しにくく診断のつけにくい《psychose ordinaire》を、含みを持たせて「ふつうの精神病」と訳すのか、それともまるで別枠の診断名のように「普通精神病」と訳すのかで、立場が違ってくるようです。
日本では、ひきこもりや発達障碍の文脈に直接関係してきます。



*1:今号のみ、立木さんご本人から(お仕事上の接点もあって)ご恵投いただきました。自分で発見していても、この記事はご紹介したと思います。