分岐点

杉万俊夫「人間科学における主観的言説の重要性」(PDF)

 一次モードとは、いわば素朴実在論的に現象の過去、現在、未来を把握し、協同的実践を推進するモードである。 ここで重要なことは、一次モードの協同的実践は、必ず「気づかざる前提」に立っているということだ。 「気づかざる前提」に立たない協同的実践などありえない。 その「気づかざる前提」に気づく瞬間が二次モードである。 それまでの事実認識、あるいは、価値判断の根底にあった「気づかざる前提」について、「そう思い込んでいた」と過去形で気づく瞬間である。 こうして、二次モードを経て、協同的実践は新たなる一次モードへと歩を進めることになる。

おばちゃんを目指すと言っても(参照)、「気づかざる前提」を放置するのではどうしようもない。
硬直した前提を問い直す風通しが要るが、それも動きを失うと「二次モード」が固着し、それ自体が「気づかざる前提」に支配される。
単にメタ言説を突きつけるような居直りは、触媒にならない。