4月2日 上山→永瀬

 日程の最中にもかかわらず、真摯なメールをありがとうございます。
 「敬称のつけ忘れ」は私もよくやらかして、お詫びメールを出していますので、お気遣いなく。・・・・気になるのは、むしろ私や永瀬さんがしているような、「制作過程やインフラを問題にする」ような努力が、多くの人を怒らせることそのものです。(固有名は、ナルシシズムの最も敏感な装置です)
 私は、制度分析を話題にすることで、そのつどトラブルの可能性に怯えるようにもなっています。それほどトラブルになりやすい話題だと思うのです、これは。いわば、相手のナルシシズムの前提になっている部分に抵触してしまう。相手が「これをやればオッケーだ」と思い込んでいる、その土台部分に触ってしまうのですから。
 ゲーム的に点数化されれば、ナルシシズムの毀損は「点が取れなかった」で済みますし、納得できる。しかし、ゲーム・システムそのものをいじり始めると、激怒されることがあるのです。
 だからこそ、永瀬さんから声をかけていただいたことは嬉しかったですし、そういう怯えは、じつはお互いに残り続けるように思うのです。
 私が美術に言及することを「怖い」と感じたのも、そういうことと無縁ではないように思います。