雑誌『ビッグイシュー』 第91号 発売中

斎藤環さんと私の往復書簡 「和樹と環のひきこもり社会論」、今号は斎藤さんで、『名づけと関係性』です。


今号で斎藤さんは、映画『ラスト、コーション』などに触れながら(参照)、次のように論じておられます。

 私は関係性について、いかなるコントロールもきかない「現実的なもの」であると考えるに至っています。

ここで「現実的なもの」と呼ばれているのは、ラカン派の《現実界 réel (レール)》という概念を参照しているのだと思いますが*1、人と人の関係を「関係性」と名詞化し、それをラカン派の《réel》と重ねるのは、非常に問題含みであると同時に、ここを焦点にいろいろ立場の違いを論じられるように思います。 単にラカン理論の正統派から逸脱しているとかではなくて*2、「人が社会化される」という事情そのものについて、政治的−臨床的に反論してみるつもりです。

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*1:【参照】: 斎藤環氏自身による解説: 現実界 réel

*2:それも気になります