誰もディテール分析をしない

  • 専門性は、難解な本を読むことそのものより、一般向けの分かりやすい本を分析的に検討できるところにある。
  • 「君は医者だね」「君は学者だね」「君は当事者だね」という相互の承認ナルシシズムに閉じているときには、そのナルシシズム自体によるトラブルを分析する努力は、徹底して無視される。 (お互いの関係性自体への分析を行わない集団ナルシシズムの中では、自分たちの条件をきちんと対象化して分析する態度そのものが「傲慢」と見なされる。*1)  ▼自分たち自身が役割意識に閉じるナルシストだからそういうふうにしか見えないのだ、というふうにはどうしても理解してもらえない。 リアルな分析を排除することが、その場の和合を維持している。




*1:「ちょっと哲学を知ってるからと思って」とか、「自分のことを有名人と勘違いしてるんじゃないの?w」とか。 当事者的な分析努力は、この手の自意識系のロジックに徹底して落とし込まれる。 「当事者」をキーワードに自分語りしかしない人たちが、この状況にますます拍車をかけてしまう。