実体化――「穴を詰めるような意識」

ひきこもりにおいては、意識の中の「穴」のような部分に意識が固着し、そこに自意識的に集中するのをやめることができない。 自分の鏡像を引き絞るための穴。 つねに脅迫されているような。 ▼「息を詰める意識」でようやく自分のまとまりを保っている。 対話的・臨機応変的に息を始める方法がわからない。
被害者あるいは加害者になってしまうかもしれないという、休みを知らない被害者意識。 この状態にとどまるかぎり、自分の現実を正当に評価できない。
おそらく、ナルシシズムと同じ枠組みだが、承認されるナルシシズムの陶酔ではなく、ひたすら自意識の疼痛がある。 それは、思いつめた姿でもある。
「自分の中の自分以上」から、一瞬も目が離せない。