2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

セーフティネットとしての刑事行政

《姉殺害に求刑超え懲役20年判決 発達障害で「社会秩序のため」》(47NEWS) 大阪地裁は30日、求刑の懲役16年を上回る懲役20年の判決を言い渡した。 判決理由で河原俊也裁判長は、約30年間引きこもり状態だった被告の犯行に先天的な広汎性発達障害…

映画『True Romance』 アラバマのつぶやき

大好きな映画です。 冒頭と最後の、アラバマのつぶやき(拙訳)。 I had to come all the way from the highways and byways of Tallahassee, Florida... 本当の愛を見つけるために、私はフロリダ・タラハシーのわき道とハイウェイから、 to Motor City, Det…

不定詞の党派性と、レジリアンス

レジリアンス・文化・創造作者: 加藤敏出版社/メーカー: 金原出版発売日: 2012/06メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見るpp.215-6、小林聡幸氏執筆の箇所より(強調は引用者): ウィニコットが創造性の逆の概念として盲従をいう…

分析の政治

【承前】 拙エントリについて、志紀島啓さんからレスポンスを頂きました。 ありがとうございます。 しかし、私からの言及には、ほとんど触れていただけない形でした。残念です。 この完全なすれ違いについて、単なる相対主義を言う気にはなれません。趣味的…

人称なき強度は独我的で、必然に満ちた《分節過程》

志紀島啓氏のツイートより: ガタリのサンギュラリテとドゥルーズの自我さえない独我論は矛盾しないのか?2012-07-05 20:42:59 via web 「各人が特異性(singularité)なら、お互いが《他者》だから、独我論とは矛盾するはず」 ということでしょうか。 しか…

絶対に避けられないものを目標にする

私がどうしても抜けられなかった固執は、 この現象から trauma 可能性を消したい。その意味で、現実を現実でなくしたい。少なくともその変更可能性に向けて従事するのでなければ、その可能性があるのでなければ、とてもこの現象経験に耐えられない。*1 だっ…

分析の様式は、すでに再編の様式になっている

「マルクス主義は、なぜ再び盛り上がりつつあるのか」(The Guardian) の一部より(拙訳、強調は訳者): 私たちが経済不況と闘うこと。そこに、マルクス主義が私たちに教えるべきことを持っている、もう一つの理由がある(階級闘争の分析よりも)。つまり…

「ひきこもる人の自殺」をめぐる解釈

【承前】 以下のような見解があり得ます。 斎藤環氏が「純粋なひきこもり事例には自殺がない」と言っているのは、うつ病や統合失調症の診断を受けていない人たちの話。ところが今回紹介された「KHJ親の会」のエピソードは、精神病圏もごっちゃにしている。だ…

ひきこもる人の自殺率

斎藤環氏は、ひきこもりと自殺について、以前から次のように述べています(参照)。 抑うつ感とみえたものは、実は空虚感であり、自己愛は保たれている。それゆえ純粋なひきこもり事例が自殺に至ることはほとんどない。 ところが、「KHJ親の会」に長くかかわ…