2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

職業倫理の都合が、ひきこもり生産様式になる

「医師であるかぎり、患者さんを批判できない」という役割固定が、考察を引きこもり生産に閉じ込める。考えれば考えるほど引きこもるマッチポンプであり、努力が引きこもる姿に一致する。医師のスタイルに引きこもるために、努力がひきこもり生産に固着され…

全体/関係/主観――専門性と主権性の対立(メモ)

知識人は権力批判をやりたがるが、社会参加の観点からは、《いかに権力に巻き込まれるか》こそが焦点*1。 大文字の権力を批判しても、「権力を批判する」ことでコミュニティに受け入れられるだけなら、そのコミュニティ内部で自分が巻き込まれる権力は分析で…

ひきこもり問題の専門性をめぐって

葛藤紛争病気・障碍 心理社会物質 切り分けた考察は必要でも、単に分離するとおかしくなる*1。 単に直線的な階層ではない 存在はトラブルでしかあり得ない 思考や理論それ自体が、この絡まり合いのさなかにある ■「医行為(いこうい)」(厚生労働省)より:…

正当化は必ずしも貢献ではない

あなたはお金を稼いでるし、自分の正当化には成功してるみたい。でもそれは、あんたの個人的アリバイを作っただけ。本当に貢献すると、別の誰かのアリバイを崩すことになる。 「それを仕事だと思われちゃたまらない」って。 今までの仕事のしかたを潰すこと…

スピノザのいう「神」って、現実のことか

上野修氏 《「現実」を作ってみる》 より(講談社の小冊子『本』2011年2月号掲載、強調は引用者): 現実とは何か。そう言われても困るが、ほら、いまこうしてこんなふうに目の前に部屋があり窓があり、その外にずっと世界が広がっていて、というふうな…

学問的業績と、コミュニティの内部告発

中山道子 「近代個人主義と憲法学 〜公私二元論の心理的限界?」*1 読み始めたら止まらなくなった。 数ある男性集団の中でもこれほど impotent な集団に、自分以外の利益集団に対して、提供・共有できる資産とその精神的余裕があるという認識をそろそろ転換…

親密圏と 法/非法

日本とフランスの家族観作者: 日仏法学会出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2003/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (1件) を見る フランス家族法との比較で、日本の家族法が、「まったく介入しない」特質を持っていることが論…

思想と親密圏(メモ)

山森裕毅氏による整理 http://d.hatena.ne.jp/impuissance/20110110/1294628345 というわけでドゥルーズ制度論の簡易な関係図を描いてみると、 制度論陣営:ヒューム、サド、サン=ジュスト 契約論陣営:ルソー、マゾッホ 法論陣営:カント、ヘーゲル、フロ…

ウラ事情にこそ、鍵がある

昨日は、NHKラジオ第1 『引きこもっちゃダメですか?』を聴取。 《公/私》だけでなく、《表/ウラ》を別軸で考えなければ。 生身が生き延びるには、むしろ裏事情が決定的だ。 元気な人は、「口にはできないあれこれ」で仕事や生活をしのいでいるのに、「ニー…

動詞形のさなかにある他者性

当事者性は、自己同一性ではなく、自らの状況や体験を他者化するための言葉。 身体や関係を無意識的に生きてしまっている、それを名指すのにつかう。 無意識の研究、という代りに、当事者性の研究と言う。 「フリーター」「主婦」などの社会的カテゴリーをめ…

親密圏という、公共的な課題

NHKラジオ第1 『引きこもっちゃダメですか?』 2011年1月10日(月・祝) 午後2時05分〜午後3時55分 2時間近い生放送を Web からも聴けるとのことで、番組あてのメッセージも募集されています。 私の文章も、少しだけ読んでいただける予定です…

「死に場所難民」

■「人口ピラミッドのデータ」*1 http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/Pyramid_a.html ⇒ ⇒ 1930年はきれいな富士山型。 今後は65歳以上が異様に多く、 医療・介護・看取りの仕事が膨大に増える。 ■「今後の看取り場は?」*2 http://goo.gl/FSKbk…

私が知らない領域を独学するときのパターン

(1)キーワード検索で偶然出くわす記事や論考を読んでみる(頻出文献もチェック)*1 (2)大型書店や図書館に出向き、手当たり次第に本を手にとってみる (3)ネット内外で専門家の薦める入門書をチェックし*2、とりあえず1冊を我慢して読みとおす (4…

持続のための、制度的・技術的実装 (メモ)

ひきこもる人は「プライドがあって自信がない」というが*1、多くの “健常者” はプライドがあって自信もある、しかしどうしようもない。――プライドや自信などの心理主義的用語で決めゼリフを考えているかぎり、必要な話はできない。(決めゼリフ生産という形…

親密圏の他者性

年頭にメモ書きした私の twitter より: * 親密圏それ自体の、言説にとっての他者性。他者概念を大事にしたがる論者も、自分の親密圏をまったく論じられない。 * 再帰性の高まった時代にも、親密圏にだけは「自然さ」のロマンが求められる。そこに暴力と排除…

あけましておめでとうございます。

ひどいまま放置されている制度的現実を変えるために、具体的なことを始めようと思います。 個人的にも、否応なく変化が続いています。 来年を迎えられた時には、これまで以上に感慨が大きくなりそう。 本ブログについては、近いうちに、これまでのような日常…